ウェーブ剤の種類と特徴を知る

1)還元剤とアルカリ剤

目的のセットレスパーマをかける。自分で思い通りにパーマをかけようとするとき・・・重要なことは、パーマをかける頭髪の髪質を知ることです。
コールド液の1剤は還元剤の種類と濃度、アルカリ剤の種類と組み合わせによってコールド1剤のウェーブ力が決定します。 コールド液の2剤は、酸化剤の種類と濃度によって酸化時間が決定されます。

2)コールドパーマ施術上のポイント

A、髪質を知ること

B、髪質とパーマデザインに適したコールド液の選定

C、コールド1剤の反応時間の選定

D、コールド2剤の反応時間の選定

3)プレトリートメント

パーマ工程に入るとき、事前に必ず髪質に応じたプレトリートメントをして、根元から毛先まで均一の髪質にしてからワインディングをします。

4)還元剤の種類

E、チオグリコール酸・HSCH₂COOH 分子量 92

チオグリコール酸は別名メルカプト酢酸と呼ばれる酸の一種。激しい悪臭と刺激を放つ無色の液体。空気中で容易に酸化して、ジスルフィド cssc を形成する。


還元剤としては、亜硫酸塩。チオ硫酸も還元剤だが、頭皮や皮膚に対する安全性が高く、毒性がないという点でチオグリコール酸が見出され、過去からパーマ剤の主流として使われてきた。

F、システィン・HSCH₂CH(NH₂)COOH 分子量 121

通常、人間の頭髪の加水分解物をPH4.0〜4.4(等電点)とし、過剰の酢酸アンモニウムを加えて得たシスチンをスズと塩酸などの還元剤で還元して、L-システィンを製する。

a、L – システィン : 弾力があるパーマがかかるが、ワインディング中、手にフレーキングが生じる。

* フレーキングはどうして生じるのか?
通常、人間の頭髪の加水分解物をPH4.0〜4.4(等電点)とし、過剰の酢酸アンモニウムを加えて得たシスチンをスズと塩酸などの還元剤で還元して、L-システィンを製する。

b、DL – システィン : 中間の性質
c、N-アセチル-L-システィン : フレーキングが起き難いソフトな風合いでかかる。

5)コールド液として許可されていない還元剤

d、亜硫酸ナトリウム NaSO3 分子量 103

亜硫素とか、サルファイトといわれている還元剤で、作用は昔の電気パーマと同じです。昔の電気パーマは、髪にアルカリ剤と亜硫酸塩を混ぜた液を塗布し、ロットに巻き付け、加熱をしてパーマをかけていましたが、サルファイトも同じです。

6)アルカリ剤の種類と性質

e、アンモニア水 NH4OH (5%液のPHは11.7) 分子量 35
常温で刺激臭を有する揮発性の高い液体。コールド1剤のアルカリ剤としてアンモニア水を配合すると、強アルカリ性として強いウエーブが得られますが、アンモニアが揮発して溶液のpHを下げるために、パーマの過剰反応は抑えられます。 PH 8.8〜9.2

f、エタノールアミン H2NCH2CH2OH(モノエタノールアミン) 分子量 61
(5%液のPHは11.7)
通常はモノエタノールアミンを用いる。アンモニア水のような刺激臭はないが、アルカリ剤としてはウエーブ形成力が強く、その反面、頭髪、皮膚に対する浸透性が良く、不揮発性のため、いつまでも頭髪および皮膚に残留します。
PH 9.0〜9.4

g、炭酸水素アンモニュウム NH4HCO3 (5%液のPHは7.7)分子量 79
炭酸水素カリウム KHCO3 分子量 100
リン酸水素アンモニウム NH4H2PO4 分子量 115

刺激臭がなく、皮膚刺激も比較的に少なく、PH値も7.0〜7.5程度と中性を示す。また、頭髪に対する膨潤力が低いので、髪を損傷させることは少ないが、パーマはかかり難い。

7)チオグリコール酸パーマにおけるアルカリの種類による膨潤およびウェーブ力


ウェーブ剤 アルカリの種類 PH アルカリ度 膨潤
(水と比較して)
ウェーブ力

5.8%チオグリコール酸 アンモニア 9.1 2.78 9.1 67
5.8%チオグリコール酸 モノエタノールアミン 9.1 2.88 8.8 65
5.8%チオグリコール酸 炭酸水素アンモニウム 7.5 6.06 7 54

8)アルカリ度とアルカリの配合量

◎ アルカリ度 :
コールド1剤1ml中にフリーのアルカリがどれだけ存在しているか、その値を塩酸水素液を使って数値化した値です。 従って、このアルカリ値は、アルカリ剤の分子量によって異なりますので、アルカリ値が高いからと言って、アルカリとしてのパワーが強いとは一概には言えません。

9)頭髪の膨潤とPHの関係

頭髪はPH4.5〜5.5の等電帯域で一番密度が高いために、頭髪はしっかりしまっていて丈夫ですが、これより酸性側に・アルカリ性側にPHが変わると少しずつ膨潤して行き、PH10以上になると急激に膨潤し溶解するようになります。またPh4以下でも硬くなり、これもまた溶解をしてしまいます。

PHと毛髪の膨潤度

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10)真範研究所のコールド液

コールド液 PH アルカリ チオ
グリコール酸
システィン 臭素酸
ナトリウム
過酸化水素
ラブール2 1液
2液
9 5.53
5.25

6.8


8
ラブール3 1液
2液
9.15 4.51 5.82


6.8


8
ライブネスDX 1液
2液
9.1 4.85±0.2 6.8


6.5


7
ライブネスSDX 1液
2液
9.1 5.88
5.2

6.5


7

11)真範研究所のコールド液の特長 その1

ラブール2・・・・・ オーツーの原点のコールド液(L-システィン)
ラブール3・・・・・ ラブール2のノウハウで処方したハードタイプのコールド液
(チオグリコール酸)
ライブネスDX・・・・ラブール3のグレードアップ品(チオグリコール酸)
ライブネスSDX・・・ ラブール2のグレードアップ品(L-システィン)

12)真範研究所のコールド液の特長 その2

システィンを知る

天然に由来したシスティンで弾力のあるパーマがかかりますが、水に溶けやすのでフレーキングは起きない。ワインディング中に乾燥してきて、手指に白い結晶(フレーキング)を付着させる。
合成されたシスティンで髪の感触向上には適していますが、ウェーブ剤としてのパワーは、L-システィンと比較して弱い。
最近許可されたシスティン、手指にフレーキングを起こさないが、弾力のあるウェーブは望めない。


*ラブール2とライブネスDXは、強いウェーブ力を求めるために、L-システィンを使っています。しかし、L-システィンの欠点であるフレーキングは、処方上、起き難くしています。

13)真範研究所のコールド液の特長 その3

髪質とデザインによるコールド液の選定

髪質とデザインによるコールド液の選定

染毛・酸化染料・ヘアダイ

非染毛・酸性染料

・ヘアマニュキュア

・シュミエル   

・ベーシックカラー

超ダメージ毛 乾燥毛 普通毛 超ダメージ毛 乾燥毛 普通毛
ライブネスDX × ×
ライブネスSDX